今後のマンション価格の動向をどう見るか ― 2027年の短期見通し

マンション価格は今も過去最高水準にあります。一方で、日銀の利上げが続き、住宅ローン金利も上がってきました。「2027年にかけて、まだ上がるのか、それとも下がるのか」と、ご相談の場でもよく聞かれるようになりました。

結論から言うと、2027年のマンション価格は、全体としては高い水準を保ちながら、立地や物件によって値動きの差が広がる「二極化」の1年になるとみています。本記事では、京阪神のデータをもとに2027年の短期的な見通しをまとめ、売る方・買う方・持ち続ける方それぞれの考え方を整理します。

いまのマンション市場

近畿圏の新築マンションは、平米単価が6年連続で過去最高を更新しています。中古マンションも、成約価格は上昇が続いています。

指標数値前年同期比
新築・平均価格(2026年上半期)5,453万円+5.7%
新築・平米単価(同)98万円+2.1%
新築・大阪府下(大阪市を除く)の平均価格5,501万円+11.1%
中古・平均成約価格(2026年4~6月)3,286万円+9.0%
中古・売り出し価格(同)3,707万円+18.8%

大阪市の中古マンションの成約価格は、43期連続(約10年以上)で前年を上回っています。新築が高くなりすぎたため、中古に買い手が流れ、中古の価格も引き上げられている構図です。

出典:新築は不動産経済研究所(2026年7月21日発表、報道より)、中古は近畿圏不動産流通機構(2026年7月23日発表)

価格を押し上げている3つの要因

価格高騰の根っこにあるのは、「つくるためのコスト」の上昇です。これは金利が上がってもすぐには下がりません。

  • 建築費の上昇:資材価格に加え、職人不足や働き方改革による人件費の上昇、省エネ基準への対応が重なっています。一度上がった人件費は下がりにくいのが特徴です。
  • 用地の取り合い:駅近や再開発エリアなど、マンションに向く土地は限られており、大手デベロッパーが高値で仕入れています。
  • 供給の大手集中:小規模な開発は採算が取りにくくなり、供給が大手に集中しています。大手は無理に値下げせず、時間をかけて売る体力があるため、価格が下がりにくくなっています。

この3つが続く限り、新築マンションの価格には下支えがあります。新築が高いままであれば、立地の良い中古マンションへの需要も続きます。

一方で見えてきた「変化の兆し」

価格は高水準ですが、買い手の勢いには陰りが出始めています。

1. 金利の上昇
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除して以降、段階的に利上げを続け、2026年9月には政策金利を1.25%程度に引き上げました。固定金利も上がっており、フラット35の10月の金利(21~35年、最低)は3.83%と、現行制度で過去最高になりました。金利が上がると、同じ返済額で借りられる金額が減るため、買える価格の上限が下がります。

2. 新築の売れ行きの鈍化
近畿圏の新築マンションの契約率は、2026年上半期で71.7%(前年同期77.1%)と低下しました。6月末の販売在庫は3,245戸で、前年より697戸増えています。

3. 中古の成約件数の減少
近畿圏の中古マンションの成約件数は、2026年4~6月期に前年比4.8%減と2期連続で減少しました。大阪府北部も、10期ぶりに減少に転じています。売り出し価格(+18.8%)が成約価格(+9.0%)より大きく上がっており、売り手の希望価格と買い手が出せる価格の差が広がっていることがうかがえます。

出典:政策金利は三菱UFJ銀行、フラット35は共同通信(熊本日日新聞)

2027年の見通し:価格は高止まり、二極化が進む

2027年は、価格を下支えする力と押し下げる力がぶつかる1年になります。全体としては高い水準で横ばい圏となり、物件ごとの差が広がるとみています。

注目点2027年の見通し価格への影響
金利日銀の利上げは続く見込み。民間予想の一例では、2027年1月と6月に0.25%ずつ引き上げ、政策金利は1.75%程度変動金利が上がり、買い手の予算が縮む(下押し)
建築費・用地費人件費・資材費は下がりにくく、高止まりが続く新築価格の下支え
新築の在庫在庫は前年より増えており、売れ行きは鈍化傾向売れ残る物件は値引きや販売の長期化(一部で調整)

このため、2027年は「どの物件も上がる」局面ではなくなり、立地と物件の質で明暗が分かれると考えています。

価格を維持しやすい物件調整が入りやすい物件
駅徒歩圏、特に駅近駅から遠い、バス便
生活利便性が高い、再開発エリア周辺の人口が減っているエリア
管理状態が良く、修繕積立金が十分修繕積立金が不足、大規模修繕の見通しが立たない
ファミリー層が買える価格帯平均的な買い手の予算を大きく超える価格帯

北摂エリアでも、千里中央や南千里など駅前の再開発が進む場所と、駅から離れた築年数の古い団地とでは、2027年にかけて値動きの差がはっきりしてくると考えられます。「マンション全体がどうなるか」よりも、「ご自身の物件がどちらに近いか」を見ることが大切です。

出典:利上げ予想は三井住友DSアセットマネジメント 市川レポート(2026年9月15日)

2027年に向けた立場別の考え方

売却をお考えの方
2027年も金利の上昇が続くと、買い手の予算は徐々に厳しくなります。価格が高水準にある今から2027年前半は、売却を検討しやすい時期と言えます。ただし、売り出し価格と成約価格の差が広がっており、「高く出せば売れる」状況ではなくなっています。近隣の成約事例をもとに、現実的な価格を把握することが大切です。

購入をお考えの方
「価格が下がるのを待つ」と、その間に金利が上がり、総返済額がかえって増えることもあります。2027年に向けては、金利が1~2%上がっても無理なく返せる金額で予算を決めることが大切です。将来売る可能性も考えて、立地と管理状態を重視して選ぶことをおすすめします。

持ち続ける方・相続を控えている方
価格が高い今のうちに、ご自宅の「今の価値」を一度知っておくと、老後の資金計画や相続対策が立てやすくなります。築年数が経ったマンションは、修繕積立金や管理費の値上げも含めて、「住み続ける」「賃貸に出す」「売る」を比較しておくと安心です。

まとめ:2027年のポイント

  • 建築費・用地費の高止まりが続き、2027年にマンション価格が一斉に大きく下がる可能性は低い
  • 一方、政策金利は2027年に1.75%程度まで上がるとの予想もあり、買い手の予算は厳しくなる
  • 2027年は立地と管理状態による二極化がさらに進む1年になる

不動産の価格は、一つひとつの物件ごとに大きく異なります。市場全体の動きを参考にしつつ、ご自身の物件やご家族の状況に合わせて判断することが大切です。

株式会社アイ・エリアでは、マンションの売却・購入、住み替え、相続対策などのご相談を承っています。公認 不動産コンサルティングマスターが、「今の価値」の査定から丁寧にご案内します。初回のご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年10月時点の公開データをもとにした当社の見解であり、将来の価格を保証するものではありません。

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